2007年02月

2007年02月28日

「お笑いの愚行録/天才の謎と秘密」表紙のためのイラスト

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「お笑いの愚行録/天才の謎と秘密」表紙のためのイラスト
1994
636×480ピクセル
文庫本「お笑いの愚行録/天才の謎と秘密」(株)青春出版社 表紙カバー
Courtesy Gallery Cellar

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中ザワ「このダンボールに入ってるのが、イラストレーター時代の仕事だから」

と言われて渡された、ダンボールの山。
ええっ!これをどうしろと・・・。
と、おののく間もなく、私はダンボールの中身を少しずつ取り出しました。

するとあったのがこの本。
歴史に残る人たちの秘話がつまった本でした。

その表紙は、中ザワさんが描いたベートーベン!
表紙をするようなイラストレーターだったんだ・・・。
すげぇ・・・すげぇ・・・。


2007年02月27日

1996年12月のまるちめ日記のためのビジュアル

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1996年12月のまるちめ日記のためのビジュアル
1997
480×640ピクセル
雑誌「CD-ROM Fan」 (株)毎日コミュニケーションズ 1997年3月号 (vol.4-3 no.35) p.133
Courtesy Gallery Cellar

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昨日紹介した「不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)」。
代わりばんこに楽しみながら、夢中になっていた私たちのようすを見ながら、
中ザワさんがつぶやきました。
「不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)で作った作品がある!」
えええええっ!?どの作品だ???

・・・と落ち着いて、発見。
1996年12月のまるちめ日記にありました。

ボタンを押すと、その言葉に対応した絵が出てきます。

この作品の場合・・・
「宇宙人が」(真ん中に丸のある3本足の黒いタコみたいなの)「高飛びする」(上に行く)
「吹き出し次郎」(左下の緑の吹き出し)「が消え入る」(中心に向かって消え入ってます)
「色彩派は而して」「右へ進む」(下半分にありますが、東京電力のロゴマークみたいになってる)
ということになります。
「黒焦げの」を何度か押したせいか、地色が黒くなってるに違いない?!

「不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)」を楽しんだときは、
瞬時の画面の反応を楽しみ、言葉や絵、その出現や音など五感で楽しみました。
いま改めて、中ザワさんが作った重なり合った絵を見たら、
何のボタンを押したかすっかり分からないもどかしさがあり、
これまた違う脳みそを刺激してくれます。
ああ、面白い作品だこと!

ボタン(=言葉の数)が100以上あって、その見え方もいくつかパターンがあり、
色や動きの複雑な組み合わせがありえます。
たぶん、いや絶対、
これと二度と同じものは作れない・・・だろうな。

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この画像は2005年にプリントハウスOMから出版された
リトグラフ「まるちめ日記」の一部に小さく使われており、
単独でポストカードにもなっています。
リトグラフ「まるちめ日記」ならびにポストカードが発表されたことがあります。

2005 グループ展「ポストカード展」ギャラリーOM、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


2007年02月26日

不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)

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不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)
[インタラクティブアニメーション]
1996
マッキントッシュコンピューター、液晶タッチパネル、モニタ、電光掲示板、スピーカー、台、額
発表歴:1996-2001 名古屋市NADIYA PARK-7F名古屋青少年センター、2001以降 蒲郡情報ネットワークセンター生命の海科学館(恒久設置)
生命の海科学館所蔵

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今日は、岡崎市美術博物館のある岡崎の隣の市、愛知・蒲郡に来ています。
JR蒲郡駅から徒歩3分ほどの場所に、
恒久設置された中ザワさんの作品があります。
それが本日の一品です。

「不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)」は、
インタラクティブ・アートです。
絵、デザイン、言葉選び、声(音)、そしてプログラミングまでも、
中ザワさんが手がけています。

液晶のタッチパネルに、
名詞、形容詞、動詞などさまざまな言葉の書かれたボタンが表示されています。
ボタンに手で触れると目の前のモニターに絵が映し出され、
言葉は声や音になって聞こえます。

ボタンには、あらかじめいくつもの言葉、名詞だったり形容詞だったりがあります。
ボタンに指で触れると、その言葉から想起される絵が現れます。
それが前の画面の上に上にと重なり、ひとつの絵として見ることができます。
言葉もどんどん増えていってひとつの文章のように長くなり、
最大20の言葉で構成された文章として、
最初から絵や文章を目や耳で楽しむことが出来るのです。

「わたしは」「ぼくは」「リボンがけして」
というボタンを押すと、
画面には、
“女の子の顔”“男の子の顔”“大きなリボン”
というバカCGで描かれた絵柄が出てきて、
「わたしは」「ぼくは」「リボンがけして」という声も出る、という仕組み。

観客が言葉を選び、作品として絵と音で反応を示します。
言葉に対応した絵は、
数種類の形や色、大きさに変化して、画面に出てくる場所もまちまち。
形容詞はだいたいその意味どおりに絵の形が変わっていくし、
動詞はだいたい意味どおりに絵が動きます。
言葉の持つニュアンスや言葉じりだけをとらえた絵が出てくる場合もあり、
「えっ!」と、たいがい想像と違う画面になってしまうのが魅力。

「この言葉を入れると?」「こんな絵が出るのかー」
私たちは面白くてハマってしまいました!
「家にあると練習できて傑作が作れるのになあ」と帰るのも惜しいくらいでした。

皆さんもぜひどうぞ。
3月25日までなら隣の市の岡崎美術博物館で中ザワさんの作品も見られます。

蒲郡情報ネットワークセンター生命の海科学館 蒲郡情報ネットワークセンター生命の海科学館の不可視関数試論(カンタン・アブストラクト)の紹介ページ

2007年02月25日

朝顔が咲く時間

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朝顔が咲く時間
1984
72.8×103cm
アクリル、クレヨン、色鉛筆、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2000 個展 佐野画廊(香川)、2001 病院ギャラリー(愛媛)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
受賞歴:1984 第5回日本グラフィック展佳作
個人蔵

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本日25日、午後2時から、
愛知・岡崎市美術博物館で、
中ザワさんと岡崎乾二郎さんの対談が行われます。

岡崎は「「森」としての絵画」というタイトルの展覧会。
ということで、
中ザワさんは「脳内混色絵画」「脳波ドローイング」「異種画素配置」
を出品していますが、今日の一品では敢えて最初期のアクリル絵画を紹
介しましょう。

朝顔が咲く時間、ってラジオ体操するような時間帯ですよね。
格子になったネットにからまりながら、朝顔が咲いています。
向きもさまざま、あっちやこっちに咲き誇っています。
そうそうこんな形よ、という葉っぱも面白い。
そして何より、朝日のような赤い地色が目にしみるほど印象的。
中ザワさんによるとこの赤は、ルミナス・ローズという蛍光色を分厚く
塗り込めたものだそうです。

この作品は、私の好きな作品のひとつ。
こういった原点の作品があったうえで、
展示中の「脳波ドローイング」や「脳内混色絵画」がある。
中ザワさんの歴史の長さ、制作の幅広さを実感できますね。

2007年02月24日

正八面体型回路第三番

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正八面体型回路第三番
2002
電球、コード、電池
発表歴:2002 個展「回路」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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今日の東京はまだまだ冬のよう、寒いです。
朝から出掛けようと思った藤田は、
引き出しからカイロを出そうと・・・。

いいえ、この作品はそのカイロではありません。
電球が点る「回路」です。

正八面体、というのは
8個の正三角形で囲まれた立体図形。
これは2個の四角錐の底面同士をくっつけた立体としても、
イメージできます。

この「回路第三番」のつながりも、
よく見ると、全部三角形の辺に1個ずつ電球か電池がある!
と中ザワさんに教わったのですが・・・、
うーんと、うーんと。

中ザワ「思い描いてほしいけどなぁ」

想像力以前に、図形を理解していない藤田は、
この回路の図形を立体的に思い描けないのでした。
とほほ。


ポートフォリオ 正八面体型回路第三番(配線図とギャラリーセラーでの展示風景) 方法 第17号


2007年02月23日

「ザ・カミング・ウォー・ウィズ・ヘア」のためのイラスト

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「ザ・カミング・ウォー・ウィズ・ヘア」のためのイラスト
1991
640×640ピクセル
雑誌「クレア」1991.08.01号(株)文藝春秋pp.180-181
Courtesy Gallery Cellar

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美術手帖の次の号は、
美術作品をコレクションするには?という特集です。
いま編集部の人と毎日のように取材や打ち合わせをしています。

藤田「作品を投資目的で売買する人っているんですかね」
編集者「株のような感覚でいるみたいですよ。藤田さんは株とかしないんですか?」

・・・実は私、「CREA」という雑誌に、
「ミニ株日記」という雑文を書いた過去があります。
2002年春のことで、ライターではなく、普通のOLしてた頃の話。
バレンタイン時期に不二家(!)の株を買い、儲かった記憶が・・・。

そんな話はさておき、
中ザワさんも雑誌「CREA」にイラストを掲載した過去があります。
ヘアヌード騒動が世間をにぎわせていた、1991年のこと。

元ネタはボッティツェリの「ヴィーナスの誕生」。
自由奔放なしぐさのヴィーナス、
しかもヘアの部分だけ、なんかキレイというか細かいですよね。
「ヘアのところだけ解像度が二倍、というビットマップのワザを用いた」
だそう。
んも〜、毛〜、中ザワさんったら〜。


2007年02月22日

わたしのカルトスター「松澤宥」のための誌面

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わたしのカルトスター「松澤宥」のための誌面
1994
29.7×42cm
「ガロ」1994年12月号 (no. 358)
(株)青林堂 pp. 30 - 31

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中ザワさんが寄稿した、
美術ミニコミ誌「あいだ」が出ました。
特集内容は、松澤宥、です。

昨年秋に亡くなった松澤さんは、
1922年生まれなので、生きていれば85歳。
生まれは2月2日ですが、
毎年懇親会が開かれていたのが、
今日の日付である2月22日。
今年は奇しくも追悼の会になってしまいました。

本日の一品である、この号のガロは、
「特集:わたしのカルトスター」という内容で、
中ザワさんは松澤さんのことを書いています。
松澤さんの似顔絵や作品を、いつもの調子で描いています。
私は「あいだ」を読みながら、頭を掻いてます。


2007年02月21日

静物

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静物
1979-1980
45.5×53cm
油絵具、カンバス
発表歴:1980 栄光学園高等学校創立記念祭(神奈川)
Courtesy Gallery Cellar

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昨日と同じタイトル「静物」。
「高校時代にも『静物』って作品ありますよねー」
と思い出したのが、本日の一品です。

同時期に描かれた、1月26日の一品のように、
抽象的な絵画で、太いタッチと力強い塗りに、若さとたくましさを感じます。
細く白い、きずのような線が繊細な気持ちになります。
中ザワさんの作品を鑑賞するにあたり、今までにない感覚を覚えます。
高校時代の作品、まさにこれから!な一品ですね。


2007年02月20日

静物

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静物
1990
400×640ピクセル
発表歴:1990 個展「大ボケツ」HBギャラリー(東京)、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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1月31日の「一日一品」でも触れたように、
発売されたばかりの「美術手帖」3月号で、
中ザワさんがセザンヌ「りんごとオレンジ」と
ムンク「叫び」について語っているのを、
私・藤田が聞き取って構成したものが掲載されています。

そこで中ザワさんがくれた画像は、
セザンヌを意識してバカCGで描いた(らしい)、という静物画。
自画像か?とツッコミを入れたくなる顔(らしい)も描かれています。
・・・私には背景がムンクに見えますが。

「美術手帖」、ぜひご高覧くださいませ。


2007年02月19日

パンフレット「遠藤由美ピアノリサイタル」表紙のためのイラスト

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パンフレット「遠藤由美ピアノリサイタル」表紙のためのイラスト
1991
829×593ピクセル
Courtesy Gallery Cellar

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中ザワさんてピアノ弾けるんですよね。
いつだったか、練習曲は何だったとか、話をしたことがあります。

「僕のとても数少ないピアノ曲演奏レパートリーのひとつに
 ドビュッシーの「子供の領分」のなかの最後の曲
 「ゴリウォークのケークウォーク」があるんだけど」

と言うことで、本日の一品は、
曲目にドビュッシーの「子供の領分」があったという、
知人のピアノ演奏会のパンフレット表紙に使用された作品。

その中の各曲のタイトルから連想をふくらませて描いているそうです。
モノトーンというのも、ピアノの鍵盤みたいで面白い。

「ピアノが弾けるなんて、すごいですね」
と言ったらば、
「ここ10年以上ピアノにさわってもないなあ。
 かわりというか、ピアノ曲の作曲はしたけど」
だそう。
いつかピアノを弾いてる中ザワさんの姿も見てみたいですね。


2007年02月18日

5枚から成る50円分の普通切手の58通り

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5枚から成る50円分の普通切手の58通り
2001
普通切手、トナーインク、葉書
発表歴:2001 個展「金額(切手)」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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今日の朝日新聞日曜版Be!「目の冒険/脳で視るアート」は、
中ザワさんが2000年から2004年まで、「方法」という活動をともにしていた、
詩人の松井茂さんの作品紹介でした。

方法、か・・・。
ということで、
中ザワさんの「方法」時代の作品を紹介します。

「方法」の作品は、規則にのっとって作られたものがほとんどです。
本日の一品のような、切手とはがきを使った作品は、
ハガキに貼られる50円分の切手が、
「50円1枚」でも、
「20円と30円」でも「10円と40円」でもいいので、
その組み合わせの規則を楽しむ作品です。

「1枚から成る50円分の普通切手の1通り」
(=50円切手を貼ったハガキ)
から、
「7枚から成る50円分の普通切手の232通り」
(=普通切手を7枚で50円分になるように貼ったハガキ)
まであり、
本日の一品は、
普通切手を5枚組み合わせて50円分になるように貼ってあり、
この組み合わせは全部で「58通り」あり、作品も「58通り」作られています。

ただし!
「58通り」というのは制作当時、つまり2001年での話。
「4円切手」のように、いまはない切手もあるので
(wikipediaによると2002年にかなりの切手がなくなったらしい)、
2007年現在として作ったら、何パターンになるのかしら??

中ザワヒデキポートフォリオ 方法第11号掲載「1枚から7枚までの50円分の普通切手の組み合わせ表」


2007年02月17日

garcon

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garcon(注)
1986
25×33cm
アクリル、紙ボード
発表歴:1986 個展「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵
(注)タイトル「garcon」の「c」はセディーユ。

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花で縁取られた白い額の外から、
はしごをかけて、
さらに絵の中の壁を越えていく人・・・。

本日の一品には、テキストが書かれています。
「un garcon hisse sur un mur」
=少年が壁を越える。
フランス語です。

人の姿は中ザワさんの好きな赤で描かれていますが、
画面全体は黄色。
「壁を越える」というと、意味深な気がしますが、
作品自体は楽しそうに見えます。


2007年02月16日

エジホン #06のためのイラスト

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エジホン #06のためのイラスト
1994
587×497ピクセル
本「エジホン」(株)飛鳥新社 p.6
Courtesy Gallery Cellar

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実家・岡山から、1週間ぶりくらいに
夫が待つ東京のアパートへ帰ってきました。
家が・・・汚い!
服は散らかってるわ、食器は台所に山積みされてるわ。
「これじゃ愛も醒めるわね・・・ツライ・・・」
と藤田が思っているところへ、今日の一品。

この作品は「エジホン」という、
絵に同じ漢字がちりばめられているのだけれど、
その中に違う1文字があります。
・・・というクイズ本のようなものに収められています。

この絵には
「妻も子もいる男を愛してしまった女は●●」
みたいなコピーが添えられていました。
●●にハマる1文字が、「幸」に混じってあるのです。

藤田も●●な気持ち。
分かりましたか?


2007年02月15日

不良少年のパソコン学再び第1回「つなぐ」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第1回「つなぐ」のためのイラスト
1993
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年1月1日・15日合併号 (no.118) p.105
Courtesy Gallery Cellar

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「ASAhIパソコン」という雑誌に掲載されていた、
荻窪圭さんの連載に、イラストをつけていた中ザワさん。
連載は幾度かタイトルが変わり、
イラストもいくつかパターンがあるようです。

本日の一品は、「不良少年のパソコン学」という連載が好評のうちに終わり、
引き続き始まった「不良少年のパソコン学再び」
(サブタイトルは「荻窪圭の機械用語博物館」)という連載1回目のイラストです。

荻窪さんの文章が、コンセントだったか何かを「つなぐ」という話題で、
中ザワさんがつけたイラストは・・・ええっ!そういう「つなぐ」!?
ちなみに1月30日の一日一品「入力する」は、この連載の5回目だった模様。


2007年02月14日

今月の美術美術学第9講「バカCGとは?」

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今月の美術美術学第9講「バカCGとは?」
1991
591×1440ピクセル
雑誌「GOMES」PARCO 1991年10月号 (no.30) p.9
Courtesy Gallery Cellar

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今日はバレンタインデー。
愛を大好きな人にドキドキしながら告白するように、
すっごい今さらなことをドキドキしながら中ザワさんに問うてみました。

「あの・・・“バカCG”ってなんですか」

カゼ声の中ザワさんが教えてくれたのは、今日の一品「美術美術学」。
藤田「以前も紹介した、“びじゅつびじゅつがく”ですね」
中ザワ「それは“ピチピチギャル”と読むタイトルなのだ」
藤田「え゛?」
よく見ると(よく見なくてもわかるだろ)、ルビがふってある!!

そして、文章を読んでみた。
(皆さんもクリックして拡大で読んでくださいね)

藤田「あの、この文章、よく意味が分かりません」
中ザワ「当時CGは時代最先端のありがた〜い&俗人には近寄りがた〜いテクノロジー様さま、という認識があり、そうではなくて俺達のような猿でも描けるCGを作ろうとしたのが“バカCG”」
藤田「はあ(だからなんなの)・・・???」

カゼを引いた中ザワさんは、そのまま電話を切ってしまいました。
どうやらバカはCGではなく、藤田のようです。
バカ藤田は、この冬カゼも引かないし・・・。
中ザワさん、お大事に。


2007年02月13日

RYUSEI YORU KISHIDA

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RYUSEI YORU KISHIDA
1991
428×328ピクセル
発表歴:1991 「Digital Sight」O美術館(東京)、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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ぎょー。
この麗子はホラーを超えてキモい・・・。
でも実際、真夜中はこんな気がする麗子・・・。

昨日紹介した「RYUSEI HIRU KISHIDA」と対になっているのが、
本日の一品の「RYUSEI YORU KISHIDA」。

昨日も説明しましたが、
「真夜中の大原美術館展」という作品の一部です。
大原美術館所蔵作品をパロディにし、
ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」的エンタテイメント
とドッキング。
他の作家(作品)が気になりますが、今後をお楽しみに。


2007年02月12日

RYUSEI HIRU KISHIDA

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RYUSEI HIRU KISHIDA
1991
428×328ピクセル
発表歴:1991 「Digital Sight」O美術館(東京)、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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私はいま、実家のある岡山にいます。
久しぶりに倉敷へ行き、大原美術館も訪れました。
ここには高校のころ、世界史の授業から逃れるため、毎週自転車で来よぅたわ。
と、まさに私が大原美術館で青春を満喫していた1991年、
中ザワさんは大原美術館をパロディ化した作品を作っていました!!

「真夜中の大原美術館展」という作品の一部である今日の一品。
7人の近代日本絵画の画家の作品をもとにし、
ふだん私たちが見るであろう“昼”(アプロプリエーション)

観客も職員もガードマンもいなくなった“夜”(元の作品のパロディ)
の2種類にし、バカCGで制作したのです。

今日の一品は、岸田劉生の「童女舞姿」をもとにした“昼”の作品です。

展示方法は3種類で、
1.当時中ザワさんが持っていたインクジェットプリンターで出力、
  スチレンボードに貼って展示していた。
2.キヤノン協賛だったため、観客自ら当時珍しかったMacを使って出力、
  おみやげとして持って帰ることができた。
3.アニメーション作品にして、ループで流していた。
  音楽はムソグルスキーの「展覧会の絵」(のパロディ)。

・・・あれ?昨日見た「N響アワー」、
ゲストは大原美術館館長の高階秀爾、
音楽はムソグルスキーの「展覧会の絵」。
繋がってますなぁ・・・。


2007年02月11日

脳内混色絵画 C1M2Y1 #1

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脳内混色絵画 C1M2Y1 #1
2007
71.1×71.1cm
油性溶剤デジタルプリント、合成樹脂、アルミフレーム
発表歴:2007 「“森”としての絵画」岡崎市美術博物館(開催中・3月25日まで)
Courtesy Gallery Cellar

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昨日10日から、愛知県の岡崎市美術博物館で始まった、
「“森”としての絵画」という展覧会に、中ザワさんの作品が出されています。

私はまだ行ってないので、
さっき東京へ帰ってきた中ザワさんに、電話で状況を聞いてみました。

中ザワさんの作品はショウケースに入っているそう。
その中には、この「一日一品」でも紹介している、
「異種画素配置」や「脳波ドローイング」、
そして本日の一品でもある「脳内混色絵画」が展示されているんだそうです。

とりわけ「脳内混色絵画」は、まぶしくキラキラ光ってるって。
なぜなら、アルミフレームで作られた作品に、煌々と照明が当てられているから!
ええっ!早く見てみたいなぁ〜。

25日には、「対談 岡崎乾二郎×中ザワヒデキ」があります。
私・藤田も行く予定です。
皆さんもぜひぜひいらしてくださいね!!


2007年02月10日

データづくし

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データづくし
1990
640x640ピクセル
(株)徳間ジャパン発行「最新ヤングヒットカラオケベスト10 Vol. II」 のCDジャケットに使用された作品
Courtesy Gallery Cellar

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中ザワさんの作品を毎日見てますが、
私もまだまだ分からないことだらけ、
毎日勉強させていただいております。

毎日作品画像を整理しながら、
「一日一品も1ヶ月以上やって、データも増えたなあ」
と思っているとき、今日の一品のタイトルが目に入りました。

全体で一つの作品ですが、
一つの画面にいろんな作品が入ってる、というのでしょうか。
私個人は「“単一曲線”や“脳波ドローイング”みたいな波形がある」とびっくり!
他にも「あれ?」と、他の作品との類似点を感じます。
こうしてみると、
本日の一品は1990年のものですが、
それより前も、それより後にも通じる、
中ザワさんの作品に一つの道が見える気がしませんか?

・・・・・

この画像のT.P.プリントが発表されたことがあります。
2005 個展「中ザワヒデキの展開展:1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


2007年02月09日

77個の分銅から成る1318グラム (質量第二番)

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77個の分銅から成る1318グラム (質量第二番)
2001
分銅、秤
池内務撮影
レントゲンクンストラウムでの展示
発表歴:2001 個展「質量」レントゲンクンストラウム(東京)

・・・・・

分銅と秤を使った本日の一品。

分銅は大きさや形で重さの違いがあり、
数えれば重さは分かります。
秤も、アナログ/デジタルの表示の違いはありますが、
重さを知る機械です。

重さが分かっている分銅を、わざわざ秤に載せて、
それを「美術作品」と呼ぶ。
中ザワさんの作品、本当に奥が深いですね。

「質量第一番〜第五番」組成表 (2001) 「大根と分銅と筆触」(方法 第9号)


2007年02月08日

1995年10月のまるちめ日記のためのビジュアル

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1995年10月のまるちめ日記のためのビジュアル
1995
480×640ピクセル
雑誌「CD-ROM Fan」 (株)毎日コミュニケーションズ 1995年1月号 (vol.3-1 no.21) p.177
Courtesy Gallery Cellar

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「まるちめ日記」は、
雑誌「CD-ROM Fan」の1996年1月号から1998年5月号に連載されていました。

本日の一品は、連載第一回目に使われたビジュアルです。

楽しそうだなー・・・。

・・・・・

この画像は2005年にプリントハウスOMから出版された
リトグラフ「まるちめ日記」の一部に小さく使われており、
単独でポストカードにもなっています。
リトグラフ「まるちめ日記」ならびにポストカードが発表されたことがあります。

2005 グループ展「ポストカード展」ギャラリーOM、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


2007年02月07日

タイル絵画第一番

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タイル絵画第一番
2004
103x72.8cm
タイル、目地材、パネル
ギャラリーセラー蔵

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先日アップした「灰色絵画」
本当にシアン・マゼンタ・イエローが同じ数?数えてみる?
と思いましたが、
細かい作業が苦手なので、私は諦めました。

しかし!
中ザワさんは実は過去に細かい作業をしてました。
それが本日の一品です。

今まで絵具の代わりに文字や硬貨を使った作品は紹介してきましたが、
この作品ではタイルを並べています。

そして!
方法の時代は赤や青などの色を使うことを自らに禁じていたため、
この作品は8年ぶりに色を用いた・・・といいます。
しょ、ショック!(漢字で書くと「色」・親父ギャグですよ皆さん)

タイルは二色。
二進法を使って並べてあります。

とここまで書いて、
昨日紹介した「金額」のシリーズも細かい作業かも・・・と思いました。

中ザワさん、いつも作品制作お疲れさまです。


2007年02月06日

1107枚の硬貨から成る20523円(金額第一番)

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1107枚の硬貨から成る20523円(金額第一番)
2000
62.5×88.8cm
硬貨、ホチキス、硬化ビニルケース
発表歴:2000 個展 佐野画廊(香川)、2001 病院ギャラリー(愛媛)

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打ち合わせをするため、香川・佐野画廊の佐野さんにお会いました。
佐野さんについては、去年の「美術手帖」8月号で取材させていただいてます。
すっごい田舎のご自宅を画廊にしたり、
もうないけど愛媛の元・病院を展示スペース「病院ギャラリー」にしたり。
ネオ・ダダから中ザワさんのような現代美術作家までを扱う、
地方で活発に面白いことをしている佐野さんです。

今日の一品は、そんな佐野さんが運営している(していた)、
「佐野画廊」および「病院ギャラリー」でしか発表していない作品です。

私はこの「病院ギャラリー」に行ったことがあります。
たしか元・整形外科で、手術台の上に四谷シモンさんの作品があって
ちょっとホラーだったり、
篠原有司男さんの作品がボンッボンッと並べられて
贅沢だなーって感じたり、
中ザワさんのアクリル絵画がだーっとあって
人に歴史アリだなと思った記憶アリ。
そんな中にこの「金額第一番」があったのでした。

左下から右に向かって見てください。
1円・5円・1円・5円・10円・5円・1円・5円・1円・・・
おおっ!規則的だぁぁ!と驚きながらも、
つい「贅沢!」と思ってしまう、ビンボー性の藤田でした。

ポートフォリオ


2007年02月05日

脳内混色絵画 C1M2Y1 #5

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脳内混色絵画 C1M2Y1 #5
2007
71.1×71.1cm
油性溶剤デジタルプリント、合成樹脂、アルミフレーム
発表歴:2007 「“森”としての絵画」岡崎市美術博物館(予定・2月10日より)
Courtesy Gallery Cellar

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昨日の朝日新聞「Be!」紙上にも掲載されていた、
中ザワさんの新作「脳内混色絵画」。
「灰色絵画」の続編ともいえる作品は、
やっぱりシアン(青)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)で構成されてます。
灰色絵画は三色それぞれ等量ですが、
脳内混色絵画では混色の割合が異なり、
それはタイトルに書かれてあります。

この作品の場合、
「C1M2Y1」とあり、
「シアン(C)が1、マゼンタ(M)が2、イエロー(Y)が1」の割合を意味します。

なんだそれは・・・と藤田はパソコンでフォトショップというソフトを開き、
シアン25%、マゼンタ50%、イエロー25%と混ぜた色を作り出しました。
すると・・・新聞に中ザワさんが書いてあるように、
「赤紫がかった灰色」が出来た!!

ちょっと待て、
この「脳内混色絵画」作品、私の脳はちゃんとこの色を視ているの?
不思議なカンカクですぅ〜。


2007年02月04日

灰色絵画 #1 (シアン、マゼンタ、イエローによる)

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灰色絵画 #1 (シアン、マゼンタ、イエローによる)
2005
180×120cm
油性溶剤デジタルプリント、合成樹脂、アルミフレーム
発表歴:2006 「DOMANI・明日展」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)、2006 個展「Gray Paintings」 Tower 49(アメリカ・ニューヨーク)、2006 個展「灰色絵画展示」府中市美術館
Courtesy Gallery Cellar

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今日の朝日新聞日曜版「目の冒険/脳で視るアート」は、
「灰色絵画#1」が掲載されました。

新聞の中ザワさんの文章で、私は2ヶ所ひっかかりました。

1つめは「定性的にでなく、定量的に」という言葉。
シアン(青)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)が同じ数あるってことですよね?
「私は(#1は)シアンとイエローが多く見える」と思ったので
数えようと思いましたが・・・さすがに全部は数えれないよー。
それぞれの色が、対称的に配置されているようには見えますけど・・・。
今度ヒマなとき、数えてみることにします。

2つめは、この作品に「画素」という言葉を使うんですね。
つい先日も身内の結婚式があって、
親戚のおじさんたちが「僕のデジカメは○画素」対決をしていたので、
ああ、画素の多い少ないはこういったギザギザに関係してくるんだ、
って改めて認識しました。

まだまだ「灰色絵画」について、知らないことばかりだなって自覚したのでした。


2007年02月03日

ポチョムキン

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ポチョムキン
1990
640x640ピクセル
(株)徳間ジャパン発行「最新ヤングヒットカラオケベスト10 Vol. I」 のCDジャケットに使用された作品
Courtesy Gallery Cellar

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もし「今まで見た一番つまらない映画は?」
と聞かれたら、私はこう答えるでしょう。
「戦艦ポチョムキン」
映画史の授業や、その後も映画館で見ましたが、
寝る気も失せるほど、
さっぱりぱりぱり、つまらなかったんです。

そんな記憶とはかけ離れた、
ポチョムキンの名がついた中ザワさんの作品。
とってもハッピーで、ハートウォーミングな感じ。

えー、じゃあさー、ポチョムキンて何だ?


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この画像のT.P.プリントが発表されたことがあります。
2005 個展「中ザワヒデキの展開展:1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


2007年02月02日

渓流

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渓流
1986
103×72.8cm
アクリル絵具、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)
Courtesy Gallery Cellar

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「バカCG」の作品ばかり紹介してきたので、
ちょっと食傷気味になってしまいました。
ときには落ち着いたものでも・・・
と選んだ今日の一品。

「赤じゃないと絵じゃないとまで思っていた」というほど、
赤色が大好きだった、若かりしころの中ザワ青年。
やはり赤い絵具を使っています。

ごろごろした岩と川。
そういえば、美術三昧で、こんな自然は久しく見てないなあ。
アートとネイチャー。
ん?何か変なこと言っちゃったかも。


2007年02月01日

1997年2月のまるちめ日記のためのビジュアル

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1997年2月のまるちめ日記のためのビジュアル
1997
480×640ピクセル
雑誌「CD-ROM Fan」 (株)毎日コミュニケーションズ 1997年5月号 (vol.4-5 no.37) p.133
Courtesy Gallery Cellar

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日記。
それは、その人の内部を知るもの。
見ちゃいけないような、でも見ることをそそられる物体。

中ザワさんもかつて雑誌の連載ですが、
日記をつけ、公開していました。
それが「まるちめ日記」。
自分を「タワシ」と呼んだり、CD-ROMだフロッピーだと
これまた時代を表すパソコン用語がすこぶる古い日記です。

ちょうど10年前の2月の「まるちめ日記」に掲載されたのが本作品。
毎回3ページの日記連載で、こんなにサイケデリックでええのん?
(注)他の号ではその月にあったことをイラストにしていることもあります。

あと97年って中ザワさんにとって・・・。
もう美術家でしたっけ・・・。

いろいろ詮索するのはやめよう。
誰でも過去はあるもんだもんね、あはは。
ちなみに私は97年の2月ごろって、卒論書いてたわ。
テーマ?言えるわけないじゃない!
誰でも過去があるんだってば!!

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この画像は2005年にプリントハウスOMから出版された
リトグラフ「まるちめ日記」の一部に小さく使われており、
単独でポストカードにもなっています。
リトグラフ「まるちめ日記」ならびにポストカードが発表されたことがあります。

2005 グループ展「ポストカード展」ギャラリーOM、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


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