第3回AI美芸研(2016-10-16、東京)開催のお知らせ


美術家の中ザワヒデキです。
第3回AI美芸研(2016-10-16、東京)開催のお知らせです。
ゲームAI開発者の三宅陽一郎、精神科医の斎藤環両名をお招きし、東京神保町
の美学校で下記要領にて開催します。特に今回は、「AIに意識を持たせる」こ
との可能性と不可能性を巡る論戦が予想されます。是非、お立ち会いください。

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■開催概要

第3回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)
【日時】
2016年10月16日(日)18:30-21:30
※終了後懇親会(23:30まで)
【場所】
美学校(東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル3F)
http://bigakko.jp/address_map/
【講演】
三宅陽一郎(芸術科学会理事、IGDA日本ゲームAI専門部会チェア)
斎藤環(精神科医)
中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)
※講演後、全体討議の時間を設けます。
※当会の講演と討議は配信、実況歓迎です。記録動画を後日公開予定です。
【参加費】
2,000円(どなたでも参加可、予約不要、懇親会費含まず)
※入場は先着順、受付開始は開演30分前(18:00)です。来場者が60名を超え
る場合は、立ち見、もしくはご入場いただけない可能性もございます。
※懇親会へのご参加は、別途1,500円いただきます。
【主催】
人工知能美学芸術研究会

■講演内容

人工知能に、人工的な美を追求させることは如何にして可能か?
三宅陽一郎(芸術科学会理事、IGDA日本ゲームAI専門部会チェア)
人工知能でよく言われることは「同一性は判断できても、類似性を判断するこ
とが難しい」ということがあります。たとえば二つのデータが同一であること
を1ビット単位で判定することができても、よく似た絵同士が、そもそも「似
ている」ことを判断するのが、人工知能は得意ではない、ということを意味し
ています。人間の知能の持つ最も顕著な能力は「メタファー」の能力です。こ
れによって、数多の問題を一つの型に還元します。本来無限である現実世界の
問題群を有限な問題群に還元し、有限な知性で無限の世界に立ち向かうのです。
これが現代の人工知能に欠けていることです。美もまた類似性によって支えら
れています。蓄積した経験の中から、真に本質的なもの、典型的なもの、或い
はその真逆なものを表現することによって、人間の感性を揺さぶります。また、
我々生物の知能は、世界に対し環世界から世界を切り取ります。知能が本来的
にそこに自分の生態に見合った価値を見出そうとするアフォーダンスの志向性
を、現代アートは反転することで驚きをもたらします。人工知能に、人工的な
美を追求させることは如何にして可能かを主題に、認知、知能、人工知能につ
いてご説明いたします。
※8月に『人工知能のための哲学塾』(BNN新社)を上梓した三宅陽一郎は、京
大数学専攻、阪大大学院物理学修士課程、東大大学院工学系研究科博士課程を
経て、ゲーム開発者としてキャラクターに意識を持たせる必要からAI研究に進
んだ。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲー
ム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。(※文責・中ザワ)
https://www.facebook.com/youichiro.miyake

"意味"がわからないAIのために
斎藤環(精神科医)
人文知の「凋落」とともに人工知能の「隆盛」が平行している。将棋のみなら
ず囲碁でも人間を圧倒し、いまや医療の場面でも人間を上回る精度で診断を下
す。近い将来、人工知能はあらゆる領域で人間の能力を圧倒し、むしろ人間を
支配しはじめるのではないか。そうした危惧までもが真剣に語られもする。
しかし残念ながら「AIによる人類支配」は幻想である。それは拡張された人間
の万能感に過ぎない。なぜそのように断言しうるのか。AIは決して「意味」を
理解できないからだ。あれほど単純作業が得意なはずのコンピュータが、いま
だに単純な翻訳を満足に出来ないという事実がその証左である。賭けてもいい
が、英語→日本語の実用に耐える機械翻訳が完成するのにあと100年はかかる
だろう。しかし小説や詩の翻訳だけは、未来永劫不可能だろう。私はそう確信
しているが、賛同意見は多くない。当日はその根拠について、門外漢なりにい
ろいろと述べてみたい。専門家からの異論や反論を歓迎する。
※「AIの限界についてある確信があり、門外漢ながらいろいろ発言している」
と漏らす斎藤環の精神科医としての専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡
学。筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。著書『戦闘美少女の精神分析』
『「ひきこもり」救出マニュアル』『生き延びるためのラカン』『アーティス
トは境界線上で踊る』『ヤンキー化する日本』他多数。(※文責・中ザワ)
https://www.facebook.com/tamaki.saito

循環史観とAI反芸術
中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)
現代美術史は「前衛→反芸術→多様性」という流れを約30年周期で繰り返して
いる。2016年現在は反芸術期に入ったと私は考える。反芸術には人間の創造性
や可能性に疑義を呈するという側面があるが、これは、人間の創造性や可能性
はAIに将来代替されるのではないかという2016年的なビジョンと結託できる。
ちなみにAIが人間の制御を離れ、シンギュラリティが起こるかもしれないと言
われている2045年は、今から約30年後である。
※「中」だけ漢字、「ザワヒデキ」が片仮名の芸名は医学部在籍時より使用。
「バカCG」を経て「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」「人工知能美学芸術
宣言」。3Dプリンタ関連特許、著書『現代美術史日本篇』他。文化庁メディア
芸術祭審査委員。代表作は《盤上布石絵画》《金額》《脳波ドローイング》。
http://aloalo.co.jp/nakazawa/

■AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)

公式サイト
http://aloalo.co.jp/ai/
第2回AI美芸研(松田卓也、中ザワヒデキ)記録
http://aloalo.co.jp/ai/research/r002_r.html
第1回AI美芸研(高橋恒一、藤井雅実、中ザワヒデキ)記録
http://aloalo.co.jp/ai/research/r001_r.html
Facebook
https://www.facebook.com/groups/1155307841158207/
Twitter
https://twitter.com/AIbigeiken

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第4回研究会は2016年12月10日(土)、青山ブックセンターとの共催により、
東京青山の同本店にて開催予定です。
以上同報にて失礼しました。受取停止ご希望の方はその旨ご連絡ください。
本メールは転送自由、拡散歓迎です。

2016年9月24日配信
AI美芸研代表
中ザワヒデキ
nakazawa@aloalo.co.jp


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2016-10-09
- AI美芸研公式頁 http://aloalo.co.jp/ai/research/r003.html
- 美学校イベント頁 http://bigakko.jp/event/2016/ai03

2016-09-24
- 上記日本語メールを日本語話者に同報配信しました。
- フェイスブックにイベント頁「第3回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)」を作成しました。
https://www.facebook.com/events/252374971825677/


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